スターホースが一堂に会する年末の国民的行事

2017年の有馬記念を単勝1番人気の支持に応えて制したキタサンブラックは、“ラストラン”となったこのレースで通算のGⅠ勝利数を7に伸ばした。グレード制が導入された1984年以降の優勝馬延べ34頭中、この有馬記念がGⅠ・JpnⅠ初勝利だったのは2015年のゴールドアクターほか5頭だけ。当レース以前にGⅠ・JpnⅠで3着以内に入った経験もなかったのは1991年のダイユウサクと2007年のマツリダゴッホだけである。なお、1986年から1993年にかけては単勝1番人気馬が8連敗を喫したものの、1994年から2017年の有馬記念で単勝1番人気に支持された馬は〔13・4・1・6〕とまずまず堅実だ。今年も期待を背負った実績馬が順当に勝利を収めるのだろうか。それとも、意外な伏兵馬が金星を勝ち取るのだろうか。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。




中山・芝2500メートル(内回り)

外回りコースの3コーナー手前からスタート。3から4コーナーを回って、ホームストレッチでは1回目の急坂(高低差2.2メートル)を上る。決勝線から1コーナーにかけても上りで、2コーナーから向正面半ばまで緩い下り。3から4コーナーにかけてはほぼ平坦が続いて、最後の直線は310メートル。直線半ばには2回目の急坂が待ち受ける。2014年の路盤改修後、ラストのスピードが生きる傾向が強まった。勝負どころまで体力を温存できる操縦性、最終コーナーからゴールまでスピードを持続する能力が問われるコースだ。

右回りのGⅠ・JpnⅠで好走経験のある馬が中心

過去10年の3着以内馬延べ30頭中26頭は“前年以降のJRAの右回りコースでのGⅠ・JpnⅠ”において3着以内に入った経験のある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率5.3%と苦戦している。前年以降に中山、京都、阪神競馬場で行われたGⅠで好走した経験のある馬を高く評価した方がよさそうだ。〔表1〕

〔表1〕“前年以降のJRAの右回りコースでのGⅠ・JpnⅠ”において3着以内に入った経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 成績 勝率 連対率 3着内率
あり 10-8-8-52 12.8% 23.1% 33.3%
なし 0-2-2-72 0% 2.6% 5.3%

前走の“格”に注目

過去10年の前走の条件別成績を調べると、前走が「GⅠ・JpnⅠ以外」だった馬は3着内率8.3%と苦戦している。臨戦過程を比較する際は、前走が国内外のビッグレースだった馬を重視すべきだろう。〔表2〕

〔表2〕前走の条件別成績(過去10年)
前走の条件 成績 勝率 連対率 3着内率
GⅠ・JpnⅠ 9-8-9-80 8.5% 16.0% 24.5%
GⅠ・JpnⅠ以外 1-2-1-44 2.1% 6.3% 8.3%





なお、前走が「GⅠ・JpnⅠ以外」だったにもかかわらず3着以内に入った4頭は、いずれも前走の距離が2500メートル以下、そのレースの上がり3ハロンタイム順位(推定)が2位以内だった。前走が国内外のビッグレースではなかった馬のうち、そのレースが今回より長い距離のレースだった馬や、“末脚”が目立っていなかった馬は評価を下げたい。〔表3〕

〔表3〕前走が「GⅠ・JpnⅠ以外」だった3着以内馬(過去10年)
年次 着順 馬名 前走の距離 前走の上がり
3ハロンタイム(推定)順位
2010年 3着 トゥザグローリー 2000m 1位
2012年 2着 オーシャンブルー 2000m 2位
2013年 2着 ウインバリアシオン 2000m 2位
2015年 1着 ゴールドアクター 2500m 2位




6歳以上の馬は割り引き

過去10年の年齢別成績を調べると、「6歳以上」の馬は優勝例がなく、3着内率も8.3%にとどまっている。なお、「6歳以上」の馬で3着以内に入ったのは2009年3着のエアシェイディ(8歳)が最後である。比較的年齢の高い馬は苦戦する可能性が高いようだ。〔表4〕

〔表4〕年齢別成績(過去10年)
年齢 成績 勝率 連対率 3着内率
3歳 4-2-2-23 12.9% 19.4% 25.8%
4歳 2-5-2-31 5.0% 17.5% 22.5%
5歳 4-2-4-37 8.5% 12.8% 21.3%
6歳 0-0-0-17 0% 0% 0%
7歳 0-1-1-10 0% 8.3% 16.7%
8歳 0-0-1-4 0% 0% 20.0%
9歳 0-0-0-2 0% 0% 0%
5歳以下 10-9-8-91 8.5% 16.1% 22.9%
6歳以上 0-1-2-33 0% 2.8% 8.3%





枠順も重要なポイント

過去9年の枠番別成績を調べると、「8枠」の馬は全て4着以下に敗れている。2008年こそ「8枠」の馬が1、2着を占めたものの、極端な外枠に入った馬は過信禁物と見るべきだろう。〔表5〕

〔表5〕枠番別成績(過去9年)
枠番 成績 勝率 連対率 3着内率
1枠 2-2-1-12 11.8% 23.5% 29.4%
2枠 1-2-0-14 5.9% 17.6% 17.6%
3枠 1-2-1-12 6.3% 18.8% 25.0%
4枠 1-2-0-15 5.6% 16.7% 16.7%
5枠 1-1-3-13 5.6% 11.1% 27.8%
6枠 2-0-2-14 11.1% 11.1% 22.2%
7枠 1-0-2-15 5.6% 5.6% 16.7%
8枠 0-0-0-18 0% 0% 0%





なお、“同年6月以降のJRAGⅠ”において優勝経験がなかった馬に限ると、「8枠」だけでなく「7枠」の馬も全て4着以下に敗れている。さらに「6枠」の馬も連対例がなく、3着内率が7.7%にとどまっている。同年の6月以降の以降のビッグレースを勝っていない馬は、「6枠」や「7枠」に入った場合も評価を下げたい。〔表6〕

〔表6〕“同年6月以降のJRAGⅠ”において優勝経験がなかった馬の、枠番別成績(過去9年)
枠番 成績 勝率 連対率 3着内率
1枠 1-1-1-10 7.7% 15.4% 23.1%
2枠 1-2-0-12 6.7% 20.0% 20.0%
3枠 1-2-1-11 6.7% 20.0% 26.7%
4枠 1-1-0-15 5.9% 11.8% 11.8%
5枠 0-1-2-12 0% 6.7% 20.0%
6枠 0-0-1-12 0% 0% 7.7%
7枠 0-0-0-13 0% 0% 0%
8枠 0-0-0-15 0% 0% 0%





近年は馬体重の軽い馬が不振

過去5年の3着以内馬延べ15頭中13頭は、前走が“国内のレース”、かつそのレースでの馬体重が「470キログラム以上」だった。ちなみに、前走が“外国のレース”だった馬のうち、2013年1着のオルフェーヴルは当レースでの馬体重が466キログラムだったものの、2014年3着のゴールドシップは510キログラムだった。近年の傾向を見る限りだと、470キログラム未満の馬は苦戦する可能性が高いようだ。〔表7〕

〔表7〕前走が“国内のレース”だった馬の、そのレースでの馬体重別成績(過去5年)
前走の馬体重 成績 勝率 連対率 3着内率
470kg未満 0-0-0-21 0% 0% 0%
470kg以上 4-5-4-44 7.0% 15.8% 22.8%