国内外の精鋭が一堂に会するチャンピオン決定戦

過去37回のジャパンカップにおける優勝馬延べ37頭中、1982年のハーフアイスト、1986年のジュピターアイランド、1994年のマーベラスクラウン、2008年のスクリーンヒーローを除く延べ33頭は、国内もしくは海外のGⅠ競走で2着以内に入った経験のある馬だった。既に国内外のビッグレースで優勝を争ったことのあるような馬でなければなかなか勝ち切れない、世界屈指のレースレベルを誇る一戦だ。なお、創設初年度の1981年から1997年までは海外馬が12勝、日本馬が5勝だったものの、1998年以降は海外馬が2勝、日本馬が18勝となっている。以前に比べて日本馬の活躍が目立っている点も顕著な傾向と言えるだろう。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。




東京・芝2400メートル

日本ダービー、ジャパンカップ、オークスといった主要なGⅠレースが行われる東京・芝2400メートルは、「JRAのチャンピオンコース」と言われる。ホームストレッチのスタート地点から1コーナーまでの距離は約350メートル。ゴール板を過ぎてから、1コーナー、2コーナー、向正面の半ばまで緩やかに下っていく。その後やや急な上り勾配があるが、それを越えると3コーナーまで下り。最後の直線は525.9メートル。直線に向いてすぐに約160メートルの上り坂(高低差2.0メートル)があり、ゴールまでの残り約300メートルはほぼ平坦となる。2000メートル近く走った後に坂を上り、そこからさらに加速する必要があるタフな構造。直線でのスピード能力、2400メートルをこなすスタミナ、インを回る操縦性の良さといった、総合的な能力が問われるコースだ。

東京や京都のGⅠで好走経験のある馬が中心

過去10年の3着以内馬延べ30頭中、2008年1着のスクリーンヒーローを除く29頭は“東京か京都のGⅠ”において4着以内に入った経験のある馬だった。また、“東京か京都のGⅠ”において優勝経験のあった馬は3着内率39.6%と優秀な成績を収めている。過去の戦績を比較する際は、東京や京都のビッグレースで見せたパフォーマンスに注目したいところだ。〔表1〕

〔表1〕“東京か京都のGⅠ”における最高着順別成績(過去10年)
最高着順 成績 勝率 連対率 3着内率
1着 7-7-7-32 13.2% 26.4% 39.6%
2~4着 2-3-3-36 4.5% 11.4% 18.2%
5着以下、出走なし 1-0-0-75 1.3% 1.3% 1.3%





同年4月以降の戦績も重要

過去10年の3着以内馬延べ30頭中、2013年3着のトーセンジョーダンを除く29頭は、“同年4月以降のJRAのGⅠ・GⅡ”において4着以内に入った経験のある馬だった。しばらく好走例がない馬はもちろん、JRAのGⅠ・GⅡ以外のレースを主戦場としてきた馬も過信禁物と見るべきだろう。〔表2〕

〔表2〕“同年4月以降のJRAのGⅠ・GⅡ”において4着以内に入った経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 成績 勝率 連対率 3着内率
あり 10-10-9-70 10.1% 20.2% 29.3%
なし 0-0-1-73 0% 0% 1.4%





6歳以上馬は不振

過去10年の連対馬延べ20頭は、いずれも年齢が「5歳以下」だった。一方、「6歳以上」だった馬は3着内率が4.3%にとどまっている。6歳以上の馬は評価を下げたい。〔表3〕

〔表3〕年齢別成績(過去10年)
年齢 成績 勝率 連対率 3着内率
3歳 2-3-2-21 7.1% 17.9% 25.0%
4歳 5-3-2-41 9.8% 15.7% 19.6%
5歳 3-4-4-36 6.4% 14.9% 23.4%
6歳 0-0-0-24 0% 0% 0%
7歳 0-0-2-12 0% 0% 14.3%
8歳 0-0-0-9 0% 0% 0%
5歳以下 10-10-8-98 7.9% 15.9% 22.2%
6歳以上 0-0-2-45 0% 0% 4.3%





また、過去10年の3着以内馬延べ30頭は、いずれも通算出走数が「25戦以内」だった。6歳以上の馬だけでなく、キャリアが豊富な馬も上位争いに食い込む可能性は低いようだ。〔表4〕

〔表4〕通算出走数別成績(過去10年)
通算出走数 成績 勝率 連対率 3着内率
25戦以内 10-10-10-100 7.7% 15.4% 23.1%
26戦以上 0-0-0-43 0% 0% 0%





海外馬は過去11年にわたって3着以内なし

過去10年の3着以内馬延べ30頭は、いずれも日本馬だった。なお、海外馬で3着以内に入ったのは、2006年3着のウィジャボードが最後である。今年もまずは日本馬に注目すべきだろう。〔表5〕

〔表5〕所属別成績(過去10年)
所属 成績 勝率 連対率 3着内率
日本 10-10-10-101 7.6% 15.3% 22.9%
海外 0-0-0-42 0% 0% 0%





「海外」所属騎手が好成績

日本馬に限定した騎手の所属別成績を調べると、「海外」所属騎手の騎乗した馬が3着内率36.7%と優秀な成績を収めている。海外馬は苦戦しているものの、「海外」所属騎手の騎乗した日本馬は高く評価すべきかもしれない。〔表6〕

〔表6〕日本馬の、騎手の所属別成績(過去10年)
騎手の所属 成績 勝率 連対率 3着内率
日本 5-7-7-82 5.0% 11.9% 18.8%
海外 5-3-3-19 16.7% 26.7% 36.7%
  • 注記:M.デムーロ騎手とC.ルメール騎手は、JRAの通年免許を取得した2015年以降は「日本」所属として、2014年以前は「海外」所属として集計