美しき秋の女王を決する戦い

エリザベス女王杯は、牝馬三冠路線を歩んできた3歳牝馬と4歳以上の強豪牝馬が激突する一戦で、過去10年では3歳馬が4勝、4歳馬が4勝、5歳馬が2勝となっている。また、2012年以降は6年連続で単勝6番人気以下の馬が3着以内に入っている。秋の女王を決する一戦に、どんなレース傾向があるのか。過去10年の結果を分析する。




京都・芝2200メートル(外回り)

スタート地点から1コーナーまでの距離は約400メートル。1コーナーまでにすんなりとポジションが決まることが多く、決まった隊列のまま淡々と流れやすい。3コーナーの下りあたりからペースが上がり、直線は平坦。一瞬の脚を要求されるレースより、後半長く脚を使い続けることが要求されるレースになりやすい。京都の芝は移動柵がAからDコースまでとれるため、良好なコンディションが保たれやすく、終始インコースの良い状態が続きやすい。クラシックレースやジャパンカップとは異なる距離、コースで、独特の適性が問われる舞台。この距離を得意とする“2200メートル巧者”が実績馬を負かすケースも多い。

前走で1、2番人気だった馬は過去10年で優勝なし

過去10年の出走馬のうち、前走が海外のレースだった馬を除いて前走の単勝人気別成績を調べると、前走で「1番人気」だった馬と「2番人気」だった馬は優勝がない。しかし、2、3着には「1番人気」組が計10頭、「2番人気」組が計4頭入っている。フォーメーションを組む際には、ヒントになりそうなデータだろう。〔表1〕

〔表1〕前走の単勝人気別成績(過去10年)
前走の単勝人気 成績 勝率 連対率 3着内率
1番人気 0-4-6-16 0% 15.4% 38.5%
2番人気 0-3-1-13 0% 17.6% 23.5%
3番人気 2-0-1-18 9.5% 9.5% 14.3%
4番人気 1-0-2-12 6.7% 6.7% 20.0%
5番人気 1-1-0-16 5.6% 11.1% 11.1%
6~9番人気 3-2-0-38 7.0% 11.6% 11.6%
10番人気以下 1-0-0-26 3.7% 3.7% 3.7%
  • 注記:前走が海外のレースだった馬を除く





前々走の単勝人気別成績だと?

過去10年の出走馬のうち前々走が海外のレースだった馬を除いて、前々走の単勝人気別成績を調べると、「1番人気」組が勝率と3着内率でトップ、「2番人気」組が連対率でトップとなっている。連対率と3着内率は人気が上位になるほど数値が高くなっている。〔表2〕

〔表2〕前々走の単勝人気別成績(過去10年)
前々走の単勝人気 成績 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3-2-7-20 9.4% 15.6% 37.5%
2番人気 1-4-1-19 4.0% 20.0% 24.0%
3番人気 1-1-1-16 5.3% 10.5% 15.8%
4番人気 1-0-0-10 9.1% 9.1% 9.1%
5番人気 0-1-0-9 0% 10.0% 10.0%
6~9番人気 2-1-1-40 4.5% 6.8% 9.1%
10番人気以下 0-1-0-24 0% 4.0% 4.0%
  • 注記:前々走が海外のレースだった馬を除く





過去4走以内に勝利したレースでのタイム差に注目

過去10年の出走馬について、過去4走で1着だったJRAのレースでの、2着馬との最大タイム差別に成績をまとめると、過去4走以内に優勝経験があった馬の中では、2着馬との最大タイム差が「0秒4差以上」だったグループの好走率が高くなっている。その一方で、「過去4走でJRA未勝利」だった馬は3着内率10%未満と苦戦している。近走の成績を調べて、1着だったレースでの2着馬とのタイム差をチェックしておきたい。〔表3〕

〔表3〕過去4走で1着だったJRAのレースでの、2着馬との最大タイム差別成績(過去10年)
最大タイム差 成績 勝率 連対率 3着内率
タイム差なし 2-1-2-21 7.7% 11.5% 19.2%
0秒1 0-1-2-20 0% 4.3% 13.0%
0秒2 3-2-2-26 9.1% 15.2% 21.2%
0秒3 0-0-1-13 0% 0% 7.1%
0秒4 0-2-1-5 0% 25.0% 37.5%
0秒5 1-1-0-0 50.0% 100% 100%
0秒6以上 1-1-1-3 16.7% 33.3% 50.0%
過去4走でJRA未勝利 3-2-1-56 4.8% 8.1% 9.7%





直近の芝GⅠ・GⅡ実績をチェック

過去10年の出走馬について、直近の芝GⅠ・GⅡでの着順別に成績を調べると、好走率で「1着」組が「2着以下」組を大きく上回っている。直近の芝GⅠ・GⅡで勝利している馬は、大いに注目すべきだろう。〔表4〕

〔表4〕直近の芝GⅠ・GⅡでの着順別成績(過去10年)
着順 成績 勝率 連対率 3着内率
1着 2-3-2-12 10.5% 26.3% 36.8%
2着以下 8-7-7-114 5.9% 11.0% 16.2%
芝GⅠ・GⅡ不出走 0-0-1-18 0% 0% 5.3%





なお、海外のレースを除いた直近の芝のGⅠ・GⅡで「2着以下」に敗れていた馬について、そのレースの勝ち馬とのタイム差別に成績を調べてみると、タイム差が「0秒4以下」だった馬の方が、「0秒5以上」だった馬より好走率が高くなっている。該当したレースで敗れていた場合は、勝ち馬とのタイム差が小さい方が、好走する確率が高いようだ。〔表5〕

〔表5〕直近のJRAの芝GⅠ・GⅡで2着以下だった馬の、そのレースの勝ち馬とのタイム差別成績(過去10年)
タイム差 成績 勝率 連対率 3着内率
0秒2以内 2-4-1-23 6.7% 20.0% 23.3%
0秒3~0秒4 2-0-4-17 8.7% 8.7% 26.1%
0秒5~0秒9 1-2-1-40 2.3% 6.8% 9.1%
1秒0以上 1-1-1-32 2.9% 5.7% 8.6%