夏の札幌の頂上決戦

JRAのGⅡの中で最高賞金額が設定されている札幌記念は、夏場の重賞でありながら実績馬の参戦が多い。2014年には単勝2番人気に推された同年の桜花賞馬ハープスターが優勝し、GⅠ5勝(当時)の1番人気馬ゴールドシップが2着と実績馬同士で決着したが、近年は伏兵馬の台頭が多く、2005年以降は前述の2014年を除いて毎年4番人気以下の馬が連対している。昨年は6番人気のサクラアンプルールが優勝し、2着には12番人気のナリタハリケーンが入っているように、今年も伏兵馬には要注意。今回は、函館競馬場で行われた2013年を除く過去10回の結果をもとに、レースの傾向を見ていくことにしたい。





札幌・芝2000メートル

4コーナーのポケットからのスタート。1コーナーまでの距離が約400メートルと長いので、コース取りによる有利不利が出づらい構造と言える。コース全体がほぼ平坦で、コーナーは回りやすく、直線距離は269.1メートル(Cコース使用時)と短い。前半が速くなりやすいため、最後は我慢比べとなることも多い。同じ洋芝でも、函館よりスピードの出る馬場になりやすく、コーナーでスピードも乗りやすい。直線は短いが、タフなレースになりやすいので、インの好位で脚を温存できる馬が好走しやすいコースと言える。

年齢別の成績をチェック

対象とした過去10回で3歳馬は10頭が参戦しているものの、連対したのは同年のクラシックを制していた牝馬2頭(2009年ブエナビスタ、2014年ハープスター)だけとなっている。また、4~6歳馬が3勝ずつ挙げている点や、6歳馬は2着がゼロとなっている点、7歳以上の馬は優勝がゼロという点は、覚えておいた方がいいかもしれない。〔表1〕

〔表1〕年齢別成績(2013年を除く過去10回)
年齢 成績 勝率 連対率 3着内率
3歳 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
4歳 3-2-1-22 10.7% 17.9% 21.4%
5歳 3-4-5-27 7.7% 17.9% 30.8%
6歳 3-0-1-27 9.7% 9.7% 12.9%
7歳 0-1-2-13 0% 6.3% 18.8%
8歳以上 0-2-0-18 0% 10.0% 10.0%





単勝人気別とオッズ別の成績に特徴あり

対象とした過去10回の単勝人気別成績を調べると、単勝1番人気馬は連対率が70.0%で、3着内率が80.0%と好成績を残している。しかし、単勝オッズ別の成績で見ると、「1.9倍以下」の支持を受けた4頭が全て2着に敗れている点は気になるところだ。そして特徴的なのが、3番人気馬と「4.0~6.9倍」の馬が2着以内に入っておらず、それとは対照的に5番人気馬と「10.0~19.9倍」の馬の優勝が多くなっている点だ。〔表2〕〔表3〕

〔表2〕単勝人気別成績(2013年を除く過去10回)
単勝人気 成績 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2-5-1-2 20.0% 70.0% 80.0%
2番人気 1-0-2-7 10.0% 10.0% 30.0%
3番人気 0-0-2-8 0% 0% 20.0%
4番人気 1-0-3-6 10.0% 10.0% 40.0%
5番人気 4-2-0-4 40.0% 60.0% 60.0%
6、7番人気 2-0-2-16 10.0% 10.0% 20.0%
8番人気以下 0-3-0-71 0% 4.1% 4.1%

〔表3〕単勝オッズ別成績(2013年を除く過去10回)
単勝オッズ 成績 勝率 連対率 3着内率
1.9倍以下 0-4-0-0 0% 100% 100%
2.0~3.9倍 3-1-1-4 33.3% 44.4% 55.6%
4.0~6.9倍 0-0-4-10 0% 0% 28.6%
7.0~9.9倍 1-2-1-8 8.3% 25.0% 33.3%
10.0~19.9倍 5-0-3-13 23.8% 23.8% 38.1%
20.0~29.9倍 1-1-0-18 5.0% 10.0% 10.0%
30.0~49.9倍 0-0-0-13 0% 0% 0%
50.0~99.9倍 0-2-1-20 0% 8.7% 13.0%
100倍以上 0-0-0-28 0% 0% 0%





前走の着順と単勝人気にも注目

対象とした過去10回の出走馬の前走の着順と単勝人気を調べると、前走で「1着」だった馬が未勝利。また、「4、5着」だった馬も苦戦している。さらに、前走の単勝人気別成績では2番人気だった馬が不振。該当する13頭のうち3着以内に入ったのは、2007年3着のサクラメガワンダーだけだ。〔表4〕〔表5〕

〔表4〕前走の着順別成績(2013年を除く過去10回)
前走の着順 成績 勝率 連対率 3着内率
1着 0-3-2-16 0% 14.3% 23.8%
2着 2-1-1-8 16.7% 25.0% 33.3%
3着 2-2-2-8 14.3% 28.6% 42.9%
4、5着 1-0-0-19 5.0% 5.0% 5.0%
6~9着 5-3-1-36 11.1% 17.8% 20.0%
10着以下 0-1-4-27 0% 3.1% 15.6%

〔表5〕前走の単勝人気別成績(2013年を除く過去10回)
前走の単勝人気 成績 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2-3-1-14 10.0% 25.0% 30.0%
2番人気 0-0-1-12 0% 0% 7.7%
3番人気 2-0-1-8 18.2% 18.2% 27.3%
4番人気 2-0-2-8 16.7% 16.7% 33.3%
5番人気 1-2-1-11 6.7% 20.0% 26.7%
6~9番人気 3-1-1-24 10.3% 13.8% 17.2%
10番人気以下 0-2-3-31 0% 5.6% 13.9%
  • 注記:前走が海外のレースだった馬を除く





ハンデ戦への出走歴に要注意?

対象とした過去10回の札幌記念では、「過去4走でハンデ戦に2回以上出走していた」という馬が、2012年と2014年を除いて“1頭ずつ”連対している。昨年は単勝12番人気で2着に入ったナリタハリケーンがこの経験を有していた。ハイレベルなメンバーがそろうこともある重賞だが、こういったデータがあることも頭に入れておくことをお勧めしたい。〔表6〕

〔表6〕過去4走でハンデ戦に2回以上出走していた札幌記念連対馬一覧(2013年を除く過去10回)
年度 着順 馬名 該当レース
2007年 2着 アグネスアーク 3走前 大阪城S 4走前 早春S(1600万下)
2008年 1着 タスカータソルテ 前走 函館記念 4走前 中京記念
2009年 1着 ヤマニンキングリー 前走 中京記念 2走前 小倉大賞典
2010年 1着 アーネストリー 3走前 中日新聞杯 4走前 アルゼンチン共和国杯
2011年 2着 アクシオン 前走 函館記念 3走前 中山金杯
2015年 2着 ヒットザターゲット 前走 目黒記念 2走前 新潟大賞典
2016年 1着 ネオリアリズム 前走 函館記念 2走前 小倉大賞典
2017年 2着 ナリタハリケーン 前走 函館記念 4走前 ブリリアントS
    • 注記:該当レースが3レース以上ある場合は直近の2レースを掲載