出走有力馬の解説

キタサンブラック

近年の日本競馬界を引っ張って来たキタサンブラックも、いよいよ最後のレースを迎える。今年は大阪杯、天皇賞・春とG1を連勝も、G1宝塚記念ではまさかの9着と大敗。不安も抱えての秋競馬だったが、天皇賞・秋では極悪馬場をモノともせず、不安を完全払拭する力強いレースで勝利。まだまだ健在であることをアピールした。
G1ジャパンCは逃げ切り態勢に入っていたが、ゴール前でシュヴァルグラン、レイデオロに差されて3着も、4着以下は離しており、評価を落とすような内容ではない。
有馬記念は過去3、2着。未だ勝ち取っていないタイトルだけに、ここが最大目標の可能性は高い。引退の花道を勝利で飾ってもらいたいものである。



サトノクラウン

香港ヴァーズ、宝塚記念と国内外のG1を制し、能力は現役でもトップクラス。この秋はG1天皇賞・秋からスタート。歴史的極悪馬場に他馬が苦しむ中、力強く脚を伸ばし、キタサンブラックを急追して2着。惜しくも届かなかったが、改めてG1馬の底力を見せつけた。
距離が延びたG1ジャパンCでは3番人気に推され、直線では伸びかかった場面もあったが、急に失速し10着と大敗した。この結果もあってG1有馬記念は出否未定となっていたが、1週前にゴーサインが出て出走決定、鞍上には名手ムーア騎手を迎える。
切れるタイプではないので、東京から中山コースに変わるのはプラス材料。時計がかかる馬場になれば、キタサンブラック逆転も望める。



シャケトラ

デビューが遅く、昨年のクラシックは未出走だが、瞬く間にオープンクラスまで駆け上がり、初めての重賞挑戦となったG2日経新春杯ではミッキーロケットにハナ差の2着と惜敗。続くG2日経賞では先行有利のレース展開を、外から捻じ伏せる形で勝利をもぎ取る強い内容で、初重賞タイトルを獲得している。
その後G1を4戦し馬券圏内には入っていないが、G1宝塚記念ではキタサンブラックら先行勢が壊滅する中、唯一2番手から粘り4着に入線と、G1でも上位に食い込む力はある。
この秋は、G1天皇賞・秋は極度の道悪、G1ジャパンCは枠なりに終始外を回らされる厳しいレースだった。勝った日経賞と同じ舞台で巻き返したい。



シュヴァルグラン

昨年は重賞を2勝。今年に入ってG1天皇賞・春では、キタサンブラックに及ばななかったものの、1番人気のサトノダイヤモンドを制して2着入線と、G1にあと一歩まで迫っていた。
秋の始動は、G2京都大賞典から。断然内有利の馬場を、大外を回って3着と負けても内容は上々。そして迎えたG1ジャパンC。1番の絶好枠を生かして好位で競馬を進め、キタサンブラックをマーク。直線でキタサンブラックの外に持ち出されると、一歩ずつ確実に差を詰め、ゴール前でついに逆転。姉ヴィルシーナ、妹ヴィブロスに続き、きょうだい3頭目のG1ウイナーに輝いた。
中山コースは少々不安も、充実期を迎えた今なら難なくこなす可能性もある。



スワーヴリチャード

G1日本ダービーでは絶好位を追走し、直線では先に抜け出したレイデオロを追い詰める勢い。最後は差を詰められなかったが、3着以下には決定的な差をつけ2着に入っている。
G1菊花賞はレイデオロの回避が早々と伝えられていたため、この馬が主役と思われた。しかしダービーの疲れが抜けず菊花賞は見送り、復帰戦はG2アルゼンチン共和国杯を選択。久々のうえ初めての古馬相手、更にハンデ56キロも3歳馬にしては重いと見る評もあったが、そんな声を全て一蹴。レースは独壇場で、2着以下に2馬身半差をつける楽勝。秋を迎え、大きな成長を見せてくれた。
これまで右回りは不安視されてきたが、成長した今なら克服可能だ。

ミッキークイーン

3歳時にオークス、秋華賞とG1を2勝。古馬となって約2年間の勝ち星はG2阪神牝馬Sだけだが、G1でも上位に来ることが多く、衰えは感じられない。
今年もG1宝塚記念では、牡馬の強豪を相手に一歩も引かず、サトノクラウン、ゴールドアクターに続く3着に入線。秋の始動となったG1エリザベス女王杯でも、直線一気の末脚で勝ち馬モズカッチャンの時計差無しの3着。先行馬が上位を占めた結果を考えれば、勝ったに等しい内容だった。
昨年のG1有馬記念は勝ち馬サトノダイヤモンドから0.4秒差の5着。今年の相手なら、昨年以上の結果も期待できる。

ヤマカツエース

昨年のG1有馬記念は、それまで重賞4勝の実績はあったもののG1では大敗が多く、目立たない存在だった。しかしレースでは最速上がりで上位に接近し、サトノダイヤモンドから0.3秒差まで詰めた。
この勢いでG2金鯱賞を制し、G1大阪杯は3着と、再度G1で上位入線。G2札幌記念も3着に入り、秋競馬が大いに期待されたが、天皇賞・秋、ジャパンCの両G1は見せ場なく終わっている。
元々が叩いて良くなるタイプで、秋3戦目は駆け頃。有馬記念、大阪杯の結果からも、直線の短いコースで行われるG1のほうが成績もいいことから、近2戦とは全く違う結果も望める。特に中山は、3戦して有馬記念4着のほか、重賞を2勝。G1で大駆けを期待するなら、有馬記念が最大のチャンスだ。